9月28日、小野大使は連邦上院を訪れ、ヒメネス(Carlos Jimenez)連邦上院アジア太平洋外交委員長と会談を行いました。ヒメネス委員長は、今年3月に日本政府の招待で訪日しており、当館として今後上院との関係をますます緊密化していきたいと考えています。なお、この会談の様子は、ケーブル・テレビ及び衛星放送の連邦議会専門チャンネルで放映されました。
1.ヒメネス委員長発言概要
(1)メキシコと日本は政治・経済協力、貿易、文化交流、技術交流の面での協力が成功を収めてきた。日墨経済連携協定(EPA)の発効から約3年半が経とうとしているが、まだ発展しうる余地がある。この点についてさらに協力していきたい。
(2)周年行事の一環として、明年2月から10月の間に、上院で(イ)日墨二国間共同作業部会、(ロ)経済関係強化のための二国間セミナー、(ハ)メキシコへの日本の協力機関の招聘、(ニ)研究機関同士の協力、(ホ)共同研究を目的とする、メキシコへの日本の研究機関招聘実施等を検討している。
2.小野大使発言概要
(1)日墨経済連携協定(EPA)の締結については、連邦上院の中でも様々な議論があったと承知している。しかしアジア太平洋外交委員会の協力により、満場一致で承認された。EPAの効果について一つ例を挙げれば、EPA発効以降、投資額は発効以前の3倍に、また貿易総額は発効前と比較して75%増額している。
(2)9月上旬にシドニーで開催されたAPEC首脳会議の際には、両国首脳が有意義な会談を行った。来年にはカルデロン大統領の訪日の可能性があり、またG8北海道洞爺湖サミットが開催される。G8北海道洞爺湖サミットでは、環境問題が議題に上るものと考える。カルデロン大統領も関心を持つこの問題について、両国が協力していくことが重要である。
(3)今年は日本人のメキシコ移住110周年、来年は日・メキシコ修好120周年、2009年は日本とメキシコの最初の交流から400年に当たり、また2010年はメキシコの独立200周年及びメキシコ革命100周年を迎える。様々な行事を通じて、議員交流などの政治交流、経済交流、文化交流が期待されている。
(4)メキシコは地理的に世界の中心に位置していると認識している。太平洋という国境を挟んで、アジア太平洋地域とは、米国と同様、或いはそれ以上の関係を期待している。ヒメネス委員長を始めとする上院アジア太平洋外交委員会や、発足が待たれる下院墨日友好議員連盟は、日・メキシコ関係にとって中核をなす非常に重要な団体である。
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