-小枝経団連日墨経済委員会委員長のメキシコ自動車部品等サプライヤーの訪問-
第29回日本メキシコ経済協議会に参加した小枝委員長ほか経団連ミッションの一行は、2月22日午後、メキシコの自動車部品等を供給するエタル社を訪問しました。同社は、1963年に創業した自動車産業向け電極関連製品、主に、コンタクトブレーカー(旧型車に搭載する点火スイッチ)、銀合金製品及び溶接用電気抵抗部品(溶接棒先端、ケーブル、分配器等)を製造するメキシコ企業です。
同社は、JICAの産業協力プログラムにより2008年から全国製造業会議所(CANACINTRA)に派遣されていたJICA海外シニアボランティアの指導を2年弱受けました。その結果、経営トップから従業員までの全員参加活動を進め全部で101の工程において改善が図られ、年間約100万ペソの経費削減を達成できました。加えて同社はJETROメキシコ事務所が昨年3月に開催した「ものづくり座談会」へ参加したことで日系社との溶接機の先端部品の取引が再開し、同社サプライヤーとして日墨両国のサプライチェーン構築に貢献しています。同社はJICA、JETRO、当地産業界及び当館の連携により大きなビジネス機会を獲得できた会社であり、日墨産業協力・戦略的連携の好事例です。
今回、経団連ミッションの一行は、上記改善指導に携わった大門正征専門家の案内で主要工程を見学しました。小枝委員長からは、メキシコで多くの自動車部品等サプライヤーを見学したが、同社はベストである、整理整頓もなされ、「カイゼン」の意味も従業員全員で理解している、生産と営業がマッチしていることで全工程に手待ちや在庫がなく、働き方に無駄がない、従業員が生き生きしている、といった高い評価を得ることができました。
―経団連ミッション、マンサニージョ及びクリアカン訪問―
23日、経団連ミッションの一行は二手に分かれ、マンサニージョ及びクリアカンをそれぞれ訪問しました。マンサニージョでは、LNGプラント建設現場やマンサニージョ港を視察するとともに、コリマ州政府関係者等からマンサニージョの有望性などに関する説明を受けました。
また、クリアカンでは、農産品や牧畜製品の生産現場を視察するとともに、シナロア州政府関係者等から同州から日本への農牧畜産品輸出に対する期待が示されました。
これら訪問を通じ、両国間でのビジネス機会が拡大することが期待されます。

エタル社の工場内部を見学する小枝会長一行
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