感染症関連情報(2016年8月10月)

平成28年8月10日

 在留邦人及びたびレジ登録者の皆様へ

1 ジカウイルス感染症について
(1)メキシコ国内では,メキシコ保健当局が本年8月5日までに累計1,490名のジカウイルス感染症患者が確定診断されたと公表しています。発生地域は,カンペチェ州、コアウイラ州、コリマ州、チアパス州,ゲレロ州,ハリスコ州,ミチョアカン州,ナジャリット州,ヌエボ・レオン州,オアハカ州,キンタナ・ロー州,シナロア州,タバスコ州,ベラクルス州,ユカタン州の計15州で,感染発生地域が拡がってきています。これらの州の中でもチアパス州,ゲレロ州,オアハカ州で多数の患者が発生しており,中でもゲレロ州ではこの2か月間で患者数が急増しています。また,妊婦への感染例もこれまでにカンペチェ州,コリマ州,チアパス州,ゲレロ州,ハリスコ州,ミチョアカン州,オアハカ州,キンタナ・ロー州,タバスコ州,ベラクルス州,ユカタン州の計11州で確認されており,妊婦の患者数の累計は689名となりました。なお,引き続き小頭症の発生の報告はありませんでした。
 
(2)ジカウイルス感染症には特別な治療や予防のためのワクチンはありませんので,蚊に刺されないことが最も有効な予防手段です。ジカウイルス感染症を媒介するネッタイシマカ・ヒトスジシマカは,メキシコでも患者が多く発生しているデング熱やチクングニヤ熱も媒介するので,これらの病気にならないためにも蚊対策は重要です。そのためには家の周囲などに蚊が繁殖する水たまりを作らないこと,ネッタイシマカ・ヒトスジシマカが活動的になる日中から夕方にかけては肌を露出しない衣服を着用し,蚊に有効な虫除け剤(成分としてディート(DEET,N,N-Dietil-3-metilbenzamidaまたはN,N-Dietil-m-toluamidaとも表記),ピカリジン(Picaridina,Icaridina,KBR3023と表記)またはIR3535(Ethyl N-acetyl-N-butyl-ß-alaninate,Ethyl Butylacetylaminopropionateと表記)を含むもので,これらはメキシコ国内で入手可能)を使用するなどして蚊に刺されない工夫をすることが必要です。
 なお,これらの成分を含む製品の例は次のとおりです。これらの製品には同じブランド名でも有効成分の濃度が異なるものがあり,濃度が低いものは効果の持続時間が短く,頻回の使用が必要となりますので,使用の際には製品に記載された用法・用量に従い,適切に使用して下さい。
 
・OFF!
http://www.scjohnson.com.mx/off/home.html
 
・mon amour
http://monamour.mx/repelente-contra-insectos-de-120-ml250ml/
 
・Bull Frog
http://www.bullfrogsunscreen.com/espanol/mosquito-coast.html
 
(3)また,ジカウイルスはいったん感染すると,症状がなくても体内に比較的長期間ウイルスが残存し,胎内での胎児への感染(母子感染)や,精液を介して性交渉による感染を起こすことが示されています。性行為による感染は、男性から女性パートナーのみならず,女性から男性パートナーへの感染例も報告されています。感染後、体内にウイルスが残っている期間は以前考えられていたよりも長く、最長で6ヶ月程度の場合もあることから,症状の有無にかかわらず,流行地域に滞在した女性は最低8週間妊娠を控え,流行地域へ渡航した男性で特に妊娠中のパートナーがいる場合は,パートナーの妊娠期間中は,最低8週間は性行為の際にコンドームを使用するか,性行為を控えるようにしてください。
(4)なお,外務省では海外安全ホームページにジカウイルス感染症に関する感染症危険情報を掲載していますので,ご参照ください。
 
●感染症危険情報:中南米等におけるジカウイルス感染症の流行(その18)
http://www2.anzen.mofa.go.jp/info/pchazardspecificinfo.asp?infocode=2016T132#ad-image-0
 
2 黄熱予防接種証明書(イエローカード)の有効期間の変更
 世界保健機関(WHO)の国際保健規則の改正により,2016年7月11日以降は,黄熱の予防接種証明書(イエローカード)の有効期間が「接種10日後から10年間」から、「接種10日後から生涯有効」へと変更されました。
 現在、既にお持ちの有効期間が経過した予防接種証明書も生涯有効なものとして取り扱われます。また、更新手続は不要です。取得した予防接種証明書は紛失しないように、生涯大切に保管してください。
 
3 日本政府においては,「夏の蚊対策国民運動」の一環として政府広報オンラインにおいてジカウイルス感染症を防ぐためのポイントや関連リンクを紹介しています。また,厚生労働省においてリーフレットを作成していますので併せてご参照ください。
 
<政府広報オンライン>
何が危ない?どう防ぐ?ジカウイルス感染症(ジカ熱)予防のポイント
http://www.gov-online.go.jp/useful/article/201605/2.html
 
<厚生労働省作成リーフレット>
・ジカウイルス感染症等の蚊媒介感染症の感染予防
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000127145.pdf
・蚊を減らすための対策
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000127146.pdf
・児童の保護者等向け
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000127156.pdf
 
(問い合わせ先)
在メキシコ日本国大使館
住所:Paseo de la Reforma No. 243, Torre Mapfre Piso 9, Col. Cuauhtemoc, C.P. 06500 México, Ciudad de México.
(※2015年11月から上記住所に移転しましたのでご注意ください。)
Tel:+52(55)5211-0028
Fax:+52(55)5207-7030
メール:ryojibu@me.mofa.go.jp
 
★外務省海外安全ホームページでは,海外における安全対策としての注意事項をまとめた各種資料を公開していますので,皆様の海外安全対策にお役立てください。

<海外安全虎の巻>
 http://www.anzen.mofa.go.jp/pamph/pdf/tora_2016.pdf

<海外赴任者のための安全対策小読本>
 http://www.anzen.mofa.go.jp/pamph/pdf/overseas2013.pdf

<海外における脅迫・誘拐対策Q&A>
 http://www.anzen.mofa.go.jp/pamph/pdf/kyohaku2013.pdf

★万が一,犯罪被害に遭われた際は,当館領事班までご連絡ください。
★転居・帰国・家族構成の変更等により在留届の記載事項に変更があった場合は,インターネット( http://www.ezairyu.mofa.go.jp/ )で変更の手続きをしていただくか,変更届をFAX,郵送またはスキャンデータのメール送信にて当館まで提出していただくようお願いします。
変更届フォーマット:https://www.mx.emb-japan.go.jp/files/000180336.doc
★日本人の安全に関わる情報等広く周知すべき情報は,在留届に登録されたメールアドレスに送信されます。その他の情報に関する大使館からのお知らせメールの受信登録,削除及びメールアドレスの変更は,次のURLからお願いします。
https://www.mailmz.emb-japan.go.jp/mailmz/menu?emb=mx