在メキシコ大使館からの注意喚起(感染症広域情報)(2016年11月22日)

平成28年11月22日
外務省は,感染症広域情報「ジカウイルス感染症に関する注意喚起」を発出しました。感染症危険情報は取り下げられましたが,メキシコにおいては感染者数の増加,感染地域の拡大傾向が続いており,引き続きジカウイルス感染症に対する注意は必要です。
 
メキシコにお住まいの皆様及び旅行者の皆様へ
在メキシコ日本国大使館
 
1 感染症危険情報の取下げ及び感染症広域情報の発出
2016年11月18日,世界保健機関(WHO)は,ジカウイルスと小頭症及び神経障害に関する国際保健規則(IHR)緊急委員会の第5回会合を開催し,同年2月1日に発出した,ジカウイルス感染症の流行地域における小頭症及び神経障害の集団発生に関する「国際的に懸念される公衆の保健上の緊急事態(PHEIC, Public Health Emergency of International Concern)」を終了することを宣言しました。ジカウイルスについては,小頭症との関連性が科学的に証明されるなど,研究によって,当初分からなかった多くのことが解明されてきたことを考慮し,引き続き公衆衛生上の対策は必要であるが,もはやPHEICには該当しないとの見解を示しました。
(2)WHOによるPHEICの終了により,外務省が定める「感染症危険情報発出」の目安(御参考: http://www.anzen.mofa.go.jp/masters/kansen_risk.html )に該当しなくなったため,外務省は2016年2月2日以降発出を継続してきた感染症危険情報を取り下げました。一方で,ジカウイルス感染症は引き続き各地で発生しており,注意を要する状況に変化はないことから,今後は感染症広域情報により情報提供を継続していくこととしました。
 11月22日に発出された感染症広域情報のポイントは次のとおりです。全文については,こちら( http://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcwideareaspecificinfo_2016C312.html )を御参照ください。
 
【ポイント】
●2016年11月18日,世界保健機関(WHO)は,ジカウイルスと小頭症及び神経障害に関する第5回緊急委員会を開催し,ジカウイルス流行地域における小頭症及び神経障害の集団発生について「国際的に懸念される公衆の保健上の緊急事態(PHEIC, Public Health Emergency of International Concern)」の終了を宣言しました。
●WHOによるPHEICの終了宣言を受け,外務省は,2016年2月2日以降発出を継続してきた感染症危険情報を取り下げました。一方で,ジカウイルスは,妊娠中に感染すると胎児に小頭症等の先天性障害を引き起こす可能性があり,発生国・地域に渡航・滞在する際には,厳重な防蚊対策を講じるなど引き続き注意が必要です。
●特に妊娠中又は妊娠予定の方は,可能な限り発生国への渡航をお控えください。やむを得ず渡航する場合や,既に現地に滞在している場合は,防蚊対策に努めるとともに,性行為感染のリスクも考慮し,パートナーとともに,症状の有無にかかわらず,コンドームを使用する,性行為を控えるなど,必要な対策を講じることをおすすめします。
●最近では新たに,パラオ及びカリブ海の英領モントセラトでも発生が確認されました。
 
2 メキシコ関連情報
(1)メキシコ国内では,メキシコ保健当局が本年11月18日までに累計6,642名のジカウイルス感染症患者が確定診断されたと公表しています。感染が確認されている州は,アグアスカリエンテス州,バハ・カリフォルニア・スル州,カンペチェ州,コアウイラ州,コリマ州,チアパス州,ゲレロ州,イダルゴ州,ハリスコ州,ミチョアカン州,モレロス州,ナジャリット州,ヌエボ・レオン州,オアハカ州,プエブラ州,キンタナ・ロー州,サン・ルイス・ポトシ州,シナロア州,ソノラ州,タバスコ州,タマウリパス州,ベラクルス州,ユカタン州及びサカテカス州の計24州となりました。これらの州の中でもベラクルス州では累計1,742名の多数の患者が発生しています。
妊婦への感染例はこれまでにバハ・カリフォルニア・スル州,カンペチェ州,コアウイラ州,コリマ州,チアパス州,ゲレロ州,イダルゴ州,ハリスコ州,ミチョアカン州,モレロス州,ナジャリット州,ヌエボ・レオン州,オアハカ州,プエブラ州,キンタナ・ロー州,サン・ルイス・ポトシ州,シナロア州,タバスコ州,タマウリパス州,ベラクルス州,ユカタン州及びサカテカス州の計22州で確認されており,妊婦の患者数の累計は3,497名となっています。なお,引き続き小頭症発生の報告はありませんでした。
また,ギラン・バレー症候群患者については,本年第40週に公表された6例以降,新たな発生は報告されていません。
(2)ジカウイルス感染症には特別な治療はなく,予防のためのワクチンが実用化されるまで,まだ時間がかかる模様です。感染経路は蚊に刺されることと,性交渉を介したものが主ですが,まずは蚊に刺されないことが最も有効な予防手段です。ジカウイルス感染症を媒介するネッタイシマカやヒトスジシマカは,メキシコでも患者が多く発生しているデング熱やチクングニヤ熱も媒介するので,これらの病気にかからないためにも蚊対策は重要です。
そのためには家の周囲などに蚊が繁殖する水たまりを作らないこと,蚊が生息する場所ではネッタイシマカやヒトスジシマカが活動的になる日中から夕方にかけては肌を露出しない衣服を着用し,有効な成分を含む虫除け剤(成分としてディート(DEET,N,N-Dietil-3-metilbenzamidaまたはN,N-Dietil-m-toluamidaとも表記),ピカリジン(Picaridina,Icaridina,KBR3023と表記)またはIR3535(Ethyl N-acetyl-N-butyl-ß-alaninate,Ethyl Butylacetylaminopropionateと表記)を含むもので,これらはメキシコ国内で入手可能)を使用するなどして蚊に刺されない工夫をすることが必要です。
 なお,これらの成分を含む製品の例は次のとおりです。これらの製品には同じブランド名でも有効成分の濃度が異なるものがあり,濃度が低いものは効果の持続時間が短く,頻回の使用が必要となりますので,使用の際には製品に記載された用法・用量に従い,適切に使用して下さい。
 
・OFF!
http://www.scjohnson.com.mx/off/home.html
 
・mon amour
http://monamour.mx/repelente-contra-insectos-de-120-ml250ml/
 
(3)また,性行為による感染は,これまで考えられていたよりも一般化していることがわかってきており,調査結果からは,ウイルスが精液の中に約6か月残存する可能性があることも分かってきています。このためWHOは,流行地域から帰国した全ての男女に対し,症状の有無にかかわらず,帰国後も最低6か月間はコンドームを常に使用するなどして安全な性行為に努めるか,性行為を控えるべきと勧告しています。
 
3 日本政府においては,政府広報オンラインにおいてジカウイルス感染症を防ぐためのポイントや関連リンクを紹介しています。また,厚生労働省においてリーフレットを作成していますので併せてご参照ください。
 
<政府広報オンライン>
何が危ない?どう防ぐ?ジカウイルス感染症(ジカ熱)予防のポイント
http://www.gov-online.go.jp/useful/article/201605/2.html
 
<厚生労働省作成リーフレット>
・ジカウイルス感染症等の蚊媒介感染症の感染予防
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000127145.pdf
・蚊を減らすための対策
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000127146.pdf
・児童の保護者等向け
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000127156.pdf
 
(問い合わせ先)
在メキシコ日本国大使館
住所:Paseo de la Reforma No. 243, Torre Mapfre Piso 9, Col. Cuauhtemoc, C.P. 06500 México, Ciudad de México.
(※2015年11月から上記住所に移転しましたのでご注意ください。)
Tel:+52(55)5211-0028
Fax:+52(55)5207-7030
メール:ryojibu@me.mofa.go.jp
 
★外務省海外安全ホームページでは,海外における安全対策としての注意事項をまとめた各種資料を公開していますので,皆様の海外安全対策にお役立てください。
<海外安全虎の巻>
 http://www.anzen.mofa.go.jp/pamph/pdf/tora_2016.pdf
<海外赴任者のための安全対策小読本>
 http://www.anzen.mofa.go.jp/pamph/pdf/overseas2013.pdf
<海外における脅迫・誘拐対策Q&A>
 http://www.anzen.mofa.go.jp/pamph/pdf/kyohaku2013.pdf
★万が一,犯罪被害に遭われた際は,当館領事班までご連絡ください。
★転居・帰国・家族構成の変更等により在留届の記載事項に変更があった場合は,インターネット( http://www.ezairyu.mofa.go.jp/ )で変更の手続きをしていただくか,変更届をFAX,郵送またはスキャンデータのメール送信にて当館まで提出していただくようお願いします。
変更届フォーマット:https://www.mx.emb-japan.go.jp/files/000180336.doc
★日本人の安全に関わる情報等広く周知すべき情報は,在留届に登録されたメールアドレスに送信されます。その他の情報に関する大使館からのお知らせメールの受信登録,削除及びメールアドレスの変更は,次のURLからお願いします。
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