「新型コロナウイルスに感染したかもしれない」と思った場合の対処マニュアル
令和2年5月12日
1.新型コロナウイルス感染を疑う症状
以下のいずれかの症状がある場合は,新型コロナウイルスに感染している可能性があります。
・息苦しさ(呼吸困難)、強いだるさ(倦怠感),高熱等の強い症状のある場合
・重症化しやすい方(※)については,発熱や咳などの比較的軽い風邪症状がある場合
※高齢者,基礎疾患(糖尿病,心不全,呼吸器疾患)がある方,透析を受けている方,免疫抑制剤や抗がん剤を用いている方,妊娠中の方
・上記以外の方で,発熱や咳などの比較的軽い風邪症状が続く場合(症状が4日以上続く場合は必ずご相談ください。症状には個人差がありますので,強い症状と思う場合にはすぐに相談してください。解熱剤などを飲み続けなければならない方も同様です)
* 新型コロナウイルス感染の潜伏期間は2-14日(平均約5日)です。
* 新型コロナウイルス感染では上記の症状の他に筋肉痛,頭痛,のどの違和感,悪寒,胸痛,味覚・嗅覚の喪失,下痢等の症状が見られることがあります。
* 緊急性の高い症状(下記5.をご参照ください)が認められる場合は,速やかにメキシコ保健省の新型コロナウイルス相談窓口(電話:800 0044 800 または 55 56 58 11 11)に連絡して相談するか,救急サービス(電話:911)に連絡してください。
2.新型コロナウイルスに感染した場合の経過
新型コロナウイルスに感染しても,およそ80%の方は無症状または軽症であり,入院治療が必要なほど重症となる可能性は15-20%と言われています。
(1)無症状
感染前と体調や症状に変化なし(多くの場合,7-14日程度で体内からウイルスが消失)。
(2)軽症
発熱や咳などの風邪症状があるものの病院受診を要しないか,外来通院にて治療。
(3)中等-重症(15-20%)
発熱や咳などの症状発症から1週間-10日程度で呼吸困難や肺炎等の症状が出現。入院による治療が必要。
(4)最重症(3-5%)
より重症の肺炎から呼吸不全,敗血症等に進展。集中治療室(ICU)等で人工呼吸器管理。
(5)致命的(0-数%)
残念ながらお亡くなりになられる方が数%おられます。
3.新型コロナウイルス感染が疑われる場合の対応
1.の症状,および経過から新型コロナウイルス感染が疑われる場合,まずは新型コロナウイルス相談窓口(電話:800 0044 800 または 55 56 58 11 11)に相談してください。
但し,呼吸困難等の重い症状があり緊急の場合には,直ちに救急サービス(電話:911)に連絡してください。
なお,スペイン語での相談が困難な場合には,日本人医師による医療支援サービス(注1)も利用可能です。
(注1)Nippon Medical Network (NMN;日本人医師による医療支援サービス)
保健省の新型コロナウイルス相談窓口での相談が難しい場合やさらなる相談が必要な場合は,NMNの各医師に相談も可能(電話またはWhatsAppにて対応とのこと)。
- 多富 康志(タトミ ヤスシ)医師(メキシコシティ,整形外科,55 5455 8451)
- 堀 卓史(ホリ タカシ)医師(メキシコシティ/グアダラハラ,小児科,55 3995 6687)
- 新垣 百合朝(アラガキ ユリトモ)医師(グアダラハラ,腎臓内科,33 3115 6525)
- 坂本 清(サカモト サヤカ)香医師(メキシコシティ,小児科,55 4865 7944
4.電話相談の結果,新型コロナウイルス感染の疑いありと判断されたら---
- 一般的な風邪程度の軽症の場合は,医療機関への相談を指示されず,自宅療養・自己隔離の継続が指示される可能性があります。(この場合,PCR検査は行われません)その場合は外出を控え,他人との接触を避けるなど,感染拡大防止のための行動を徹底してください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/newpage_00009.htmlなどをご参照ください)
* 軽症で自宅療養中に症状が悪化した場合は,改めて上記の相談窓口に連絡し,受診の是非,さらに受診すべき医療機関の紹介等を受けます。特に緊急性の高い症状(下記5.をご参照ください)が認められる場合は,速やかに新型コロナウイルス相談窓口(電話:800 0044 800 または 55 56 58 11 11)に連絡して相談するか,救急サービス(電話:911)に連絡してください。
- 症状,経過から医療機関での相談が必要な場合は,最寄りの指定医療機関等への受診が指示されます。(PCR検査の是非,治療薬等については受診する各医療機関・担当医の判断によります)
- PCR検査の結果が陽性と判定された場合でも,症状が比較的軽症であれば入院せず自宅療養・自己隔離を指示される可能性があります。その場合は外出を控え,他人との接触を避けるなど感染拡大防止のための行動を徹底してください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/newpage_00009.htmlなどをご参照ください)
* 自宅療養中に症状が悪化した場合は,それまで相談している病院に速やかに相談してください。
入院治療が必要となった場合には,その時点における各病院の病床稼働状況により,私立病院または公立病院にて入院治療が行われることとなります。
5.緊急性の高い症状
【緊急性の高い症状】(注2)が認められる場合は,速やかに新型コロナウイルス相談窓口(電話:800 0044 800 または 55 56 58 11 11)に連絡して相談するか,救急サービス(電話:911)に連絡してください。
(注2)【緊急性の高い症状】
表情・外見 | 顔色が明らかに悪い ※ 唇が紫色になっている いつもと違う、様子がおかしい ※ |
息苦しさ等 | 息が荒くなった(呼吸数が多くなった) 急に息苦しくなった 生活をしていて少し動くと息苦しい 胸の痛みがある 横になれない。座らないと息ができない 肩で息をしている 突然(2時間以内を目安)ゼーゼーしはじめた |
意識障害等 | ぼんやりしている(反応が弱い) ※ もうろうとしている(返事がない)※ 脈がとぶ、脈のリズムが乱れる感じがする |
※は家族等が症状を確認した場合
6.新型コロナウイルス感染が確定した場合
自宅療養か入院治療か等,実際の治療については受診先医療機関の判断になりますが,しっかり療養の上お大事になさってください。
また,感染が確定した旨を大使館にもお知らせいただきたく存じます。