感染症危険情報の発出について

平成28年2月3日
メキシコ滞在中の皆様へ
 

感染症危険情報の発出について



1 2月2日,外務省は,中南米地域でのジカウイルス感染症(いわゆるジカ熱)の流行に伴い感染症危険情報を発出し,海外安全ホームページ( http://www2.anzen.mofa.go.jp/info/pchazardspecificinfo.asp?infocode=2016T012 )に掲載しました。危険情報の内容については,上記URL又は下記3を御参照ください。
 なお、これまで「ジカ熱」と称していた疾患群は、必ずしも高熱を伴わない(38℃台前半の症例が多く、37℃台の例も見られる)ことや、発熱のない神経系の疾患との関連が疑われていることなどから、今後は「ジカウイルス感染症」と呼称することとします。
 
2 メキシコ保健当局の発表によれば,メキシコ国内において本年2月2日までに確定診断されたジカウイルス感染症患者の総数は34名となっています。患者が発生した地域として,これまでに発生のあったヌエボ・レオン州,ハリスコ州,チアパス州に加え、カンペチェ州とユカタン州が新たに加わっています。今後も引き続きこれら以外の地域へ拡大する可能性は高いと思われます。現時点では,メキシコ国内では妊婦への感染や小頭症の発生の報告はありません。
 ジカウイルス感染症には特別な治療や予防のためのワクチンはありませんので,蚊に刺されないようにすることが最も有効な予防手段となります。
 
3 感染症危険情報の内容は次のとおりです。
 
【件名】感染症危険情報(中南米等におけるジカウイルス感染症の流行:妊婦及び可能性のある方は特にご注意ください。)
 
【本文】
「レベル1:十分注意してください。」
「特に妊娠中の方又は妊娠の可能性のある方は,流行国・地域への渡航・滞在を可能な限りお控え下さい。」
 
※厚生労働省のホームページ(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000109881.html)においても関連情報が提供されていますので,こちらも併せてご確認ください
 
1 世界保健機関(WHO)による緊急事態宣言
 WHOは,2016年2月1日に開催された,ジカウイルス感染症に関する国際保健規則(IHR)緊急委員会(第1回)会合の勧告を踏まえ,最近のブラジルにおける小頭症やその他神経障害の急増について,「国際的に懸念される公衆の保健上の緊急事態(PHEIC,Public Health Emergency of International Concern)」を宣言するとともに,妊娠中及び妊娠適齢期の女性のジカウイルス感染症への感染を減少させるための各種対策を含む勧告を発表しました。
 ジカウイルス感染症と小頭症等の関係については引き続き研究が行われていますが,詳細な調査結果が得られるまでの間,特に妊娠中の方又は妊娠を予定している方は,流行国・地域への渡航・滞在を可能な限りお控え下さい。やむを得ず渡航,滞在する場合には,在ブラジル日本国大使館等からの最新の関連情報を入手するとともに,蚊に刺されないようにするなど以下4.を参考に十分な感染予防に努めてください。
 
2 ジカウイルス感染症の発生状況
 2015年5月以降,ブラジルをはじめとする中南米地域を中心に,ジカウイルス感染症の発生が報告されています。現在,ブラジルの22州で感染が確認されているほか,WHO等によれば,バルバドス,ボリビア,コロンビア,コスタリカ,カーボヴェルデ,オランダ領キュラソー島,ドミニカ共和国,エクアドル,エルサルバドル,グアテマラ,ガイアナ,ハイチ,ホンジュラス,メキシコ,ニカラグア,パナマ,パラグアイ,プエルトリコ,サモア,スリナム,ベネズエラ,米領(バージン諸島及びサモア),フランス領(グアドループ,サン・マルタン,ギアナ,マルティニーク)において,ジカウイルス感染症の感染例が報告されています。
 
3 ジカウイルス感染症と小頭症等との関連
 2015年11月28日,ブラジル保健省は,妊娠中のジカウイルス感染症と胎児の小頭症等に関連が見られることを発表しました。同省によれば,2015年10月から2016年1月第3週までに,同国内で4,180例の小頭症児が報告されています。現時点においてジカウイルス感染症と小頭症との因果関係は明らかではありませんが,WHOが緊急事態を宣言したことを踏まえ,詳細な調査結果が得られるまでの間,特に妊婦及び妊娠予定の方の流行国・地域への渡航及び滞在は可能な限りお控えください。
 
4 渡航・滞在にあたっての注意事項
 ジカウイルス感染症には有効なワクチンや治療法はありません。蚊に刺されないようにすることが唯一の予防方法になりますので,ジカウイルス感染症の流行国・地域への渡航滞在を予定している方は,次の点に十分注意の上,蚊に刺されないよう感染の予防に努めてください。
●外出する際には長袖シャツ・長ズボンなどの着用により肌の露出を少なくし,肌の露出した部分や衣服に昆虫忌避剤(虫除けスプレー等)を2~3時間おきに塗布する。昆虫忌避剤は,ディート(DEET)やピカリジン(Picardin)等の有効成分のうちの1つを含むものを,商品毎の用法・用量で適切に使用する。一般的に,有効成分の濃度が高いほど,蚊の吸血に対する効果が長く持続すると言われている。
●室内においても,電気蚊取り器,蚊取り線香や殺虫剤,蚊帳(かや)等を効果的に使用する。
●規則正しい生活と十分な睡眠,栄養をとることで抵抗力をつける。
●軽度の発熱や頭痛,関節痛や結膜炎,発疹等が現れた場合には,ジカウイルス感染症を疑って,直ちに専門医師の診断を受ける。
●蚊の繁殖を防ぐために,タイヤ,バケツ,おもちゃ,ペットの餌皿等を屋外放置しない,植木の水受け等には砂を入れるなどの対策をとる。
 
(参考情報)
○厚生労働省HP(ジカウイルス感染症について)
 http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000109881.html
○国際保健機関(WHO):Zika virus Disease(英文)
 http://www.who.int/csr/disease/zika/en/
 
(問い合わせ窓口)
○外務省領事サービスセンター
  住所:東京都千代田区霞が関2-2-1
  電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902,2903
 
(外務省関連課室連絡先)
 ○外務省領事局政策課(海外医療情報)
  電話:(代表)03-3580-3311(内線)5367
 ○外務省 海外安全ホームページ: http://www.anzen.mofa.go.jp/
        (携帯版)  http://m.anzen.mofa.go.jp/mbtop.asp
 
(大使館連絡先)
○在メキシコ日本国大使館
Tel: +52(55)5211-0028
Fax: +52(55)5207-7030
Email: ryojibu@me.mofa.go.jp
 
★外務省海外安全ホームページでは,海外における安全対策としての注意事項をまとめた各種資料を公開していますので,皆様の海外安全対策にお役立てください。

<海外安全虎の巻>
 http://www.anzen.mofa.go.jp/pamph/pdf/tora_2015.pdf

<海外赴任者のための安全対策小読本>
 http://www.anzen.mofa.go.jp/pamph/pdf/overseas2013.pdf

<海外における脅迫・誘拐対策Q&A>
 http://www.anzen.mofa.go.jp/pamph/pdf/kyohaku2013.pdf

★万が一,犯罪被害に遭われた際は,当館領事班までご連絡ください。
★在留届はインターネット上で提出することができます。転居等により連絡先が変更になった,あるいは帰国する場合にもインターネット上で手続きできます。
在留届電子届出システム http://www.ezairyu.mofa.go.jp/
★日本人の安全に関わる情報等広く周知すべき情報は,在留届に登録されたメールアドレスに送信されます。その他の情報に関する大使館メールサービスの受信登録,削除及びメールアドレスの変更は,次のURLからお願いします。
https://www.mailmz.emb-japan.go.jp/mailmz/menu?emb=mx
 
以上