メキシコ政治情勢(3月)
〈概要〉
内政では,6日, 連邦下院議会において連邦国民投票法が可決された。治安情勢では,「テンプル騎士団」の主要リーダーであるナサリオ・モレノ・ゴンサレスとエンリケ・プランカルテが,連邦治安当局によって相次いで殺害された。
外交では,まず,10日,ペニャ・ニエト大統領がエクアドルを公式訪問し,コレア大統領と会談した。また,11日,ペニャ・ニエト大統領はチリ大統領就任式出席のため,同国を訪れた。24日には,マルティネリ・パナマ大統領が訪墨し,ペニャ・ニエト大統領と会談,共同声明を発表した。一方,ミード外相は,2日~6日に中東を歴訪,14日にはハイチ,21日にはペルーを訪問,次いで25日~28日にかけカリブ諸国,ベネズエラ,ホンジュラスを歴訪した。28日には,ティメルマン亜外相が訪墨し,ミード外相と会談,共同声明を発表した。
〈内政〉
1.国民行動党(PAN)党首選挙の動向
2日,国民行動党(PAN)党首選挙に関し,マデロ党首,およびコルデロ前上院議長がそれぞれ正式に立候補を表明した。マデロPAN党首は,同党首選に立候補するため,党首職を休職する旨を明らかにした。党首代行はロメロ同党幹事長が務める。なお,5日,アナヤ下院議長が幹事長候補として立候補する旨表明した。他方,2日,マデロ党首と対立関係にあるコルデロ前上院議長も,オリバ前グアナファト州知事とともに記者会見を行い,党首選に立候補する旨を正式に表明した(オリバ前知事は幹事長候補)。5月18日に開催予定の同党首選挙は,両候補の一騎打ちの構図となっている。
2.民主革命党(PRD)党首選をめぐる動向
4日,連邦選挙機関(IFE)は昨年11月の民主革命党(PRD)党大会において決定された党綱領の修正を承認した。同修正により,今後はPRD党首の再選が認められることとなった(但し,連続再選は不可)。これによって,カルデナス元大統領候補・元党首の党首選立候補に道が開かれた。但し、カルデナス元党首は、党の分裂を避けるため,統一候補になれるのであれば立候補するとの姿勢を示している。この動きに対して,一時は党内穏健派であり最大派閥である「新左派(Nueva Izquierda, 通称:ロス・チュチョス)」もカルデナス元党首を支持する動きを見せたが,その後,新左派を代表するナバレテ候補があくまで選挙戦を闘う姿勢を示すなど,その態度を一転させている。
なお,サンブラーノ現党首が21日に任期満了を迎えたが,党首選は8月まで延期されることとなり、同氏が引き続き党首を務めることが23日,承認された。
3.国民投票法案の可決
6日,連邦下院において,賛成362票,反対57票,棄権4票で,連邦国民投票法が可決された。同法は昨年12月10日に連邦下院で可決され,2月26日に連邦上院において,賛成103票,反対57票,棄権1票で可決されており,その際に盛り込まれた修正を受けて下院に送付されていたものである。また,本法案については,エネルギー改革に反対するPRDが,国民投票を用いて同憲法改正を無効とする方途を探っていた経緯があるが,最終的には,国民投票がエネルギー改革に適用可能か不明なまま可決された。
【主なポイント】
(1)大統領,上下両院,市民は,「国家に関わる重要事項(temas de trascendencia nacional)」につき,国民投票の請求を行うことが出来る。ただし,(ア)憲法で規定された人権に関わる事項,(イ)憲法第40条で規定された諸原則(共和制,民主主義,世俗性,連邦制等),(ウ)選挙関連,(エ)国家の歳入・歳出に関わる事項,(オ)国家安全保障に関わる事項,(カ)国軍の組織・機能・規律に関わる事項については,国民投票の対象外とする。
(2)国民投票の請求は,上下両院のいずれかに提出されなければならない。なお,上下両院のいずれかからの請求は,同議会の33%の賛成を以て,また市民の請求は有権者の2%相当(約160万人)の賛成を以て提出されなければならない。更に,請求に際しては,請求者の氏名及び署名,国民投票請求の動機,及び当該事項が「国家に関わる重要事項」であることを示す理由を提出する必要がある。なお,大統領による請求は3年に1回のみとする。また,市民による請求は国家選挙機関(INE)による審査を受けなければならない。
(3)請求を受け取った上下両院のいずれかの議会は,最高裁判所に当該請求の憲法審査を求める。最高裁判所が同請求を認めた場合には,当該議会は投票を行う。上下両院で過半数で可決された場合には,上下両院は国民投票の実施を宣言する。
(4)国民投票は連邦選挙と同一日程で実施する(3年に一度)。また,実施はINEが担う。国民投票が少なくとも40%の有権者の投票により可決された場合には,法的拘束力を有する。
4.オセアノグラフィア社不正事件をめぐる情勢
11日,連邦上院議会はオセアノグラフィア(Oceanogrfía:以下「OSA社」)不正事件をめぐる特別委員会の設置を決定,他方,同日,PAN所属上院議員数名が本件調査をエネルギー改革二次法案審議の条件とする旨表明した。
OSA社については,1968年に創設された企業であるが,報道によれば,PAN政権下でPEMEX社との関係を拡大した旨が指摘されており,フォックス政権下では61件総額130億ペソ以上の契約,カルデロン政権下では27件総額161億ペソ以上の契約を獲得したと言われている。また,報道においては,主に以下のPAN関係者の関与につき指摘がなされている。
(1)フォックス大統領夫人の連れ子であるマヌエル・ブリビエスカ氏は,同社とPEMEX社の契約を仲介したと報じられた。ただし,フォックス大統領は疑惑を否定。
(2)アビラ元カンペチェ州知事選PAN候補(2009年選挙)は,2012年12月までPEMEX副総裁(探査・生産ロジスティック担当)を務めており,疑惑を持たれているOSA社との契約に署名していることから,PEMEX社の社内調査の対象となっている。
(3)ブエノ連邦下院議員は,元PEMEX社探査部長であり,また,その娘婿の所有するFletara社とOSA社の契約を仲介したほか,その姉がPEMEX社と随意契約を獲得したことを指摘されている。
上記の疑惑を踏まえて,11日,本件疑惑については,PANを不当に攻撃する意図があると考えられ,特に政府は5月18日に予定されているPAN党首選挙に不当に干渉しようとしているとして,PAN所属上院議員数名は,エネルギー改革二次法案を審議する前に,政府はOSA社をめぐる疑惑につき然るべく調査を行い,PAN関係者に対する疑惑を晴らすべきであるとして,本件捜査を同法審議の条件とする姿勢を示した。
5.左派の分裂
18日,石油国有化記念日にPRD,労働組合,ロペス・オブラドール前大統領候補の3グループが,エネルギー改革に反対するデモを別々に実施した。それぞれのデモ参加者は4,000人程度に留まったと見られ,報道では,エネルギー改革反対は国民の支持を集めるアジェンダにはならないといった論調が紹介された。
6.人事
(1)下院議長の交替
6日,ゴンサレス連邦下院議員(PAN)が連邦下院議長に就任した。なお,本件交替はアナヤ前議長がPAN幹事長に立候補するため休職したことによるもの。
(2)国家治安コミッショナーの辞任
16日,モンドラゴン国家治安コミッショナーは辞任を表明した。オソリオ内相はモンドラゴン・コミッショナーの後任として,18日,ルビド国家公安機構秘書官(Secretario Ejectivo del Sistema Nacional de Seguridad Publica)を任命する旨発表した。同人は,サリーナス政権期に国家安全調査局(CISEN)を立ち上げた中心人物の1人であり,後に同調査局長官を務めるなど,治安対策分野の専門家である。
7.治安情勢:テンプル騎士団主要リーダーの殺害
9日,連邦治安当局はミチョアカン州トゥンビスカティオ市から13キロメートルの地点で,「テンプル騎士団」の主要リーダーであるナサリオ・モレノ・ゴンサレス,通称「エル・チャヨ」を殺害した旨発表した。同人はすでに解体された犯罪組織「ラ・ファミリア・ミチョアカーナ」の創始者の一人である。同人は「テンプル騎士団」の実質的なオペレーションを指揮していたとは見られていないが,同騎士団の思想的・道義的な指導者であったと見られている。
31日,連邦治安当局はケレタロ州コロン市に潜伏していた犯罪組織「テンプル騎士団」の副リーダーであるエンリケ・プランカルテ,通称「キケ」を逮捕作戦の末殺害した旨発表した。同人は犯罪組織「ラ・ファミリア・ミチョアカーナ」の創始者の一人であり,「テンプル騎士団」においては,米国への麻薬の密売,他犯罪組織との渉外の責任者であったと見られている。
〈外交〉
1.ミード外相の中東訪問
2日~6日,ミード外相はアラブ首長国連邦,クウェート,サウジアラビア,カタールを歴訪。
(1)アラブ首長国連邦訪問
(ア)ムハンマド首相と会談し,アラブ首長国連邦との経済,政治面での協力強化に向けた意向を示した。またペニャ・ニエト大統領からの訪墨招待を再度伝達した。
(イ)アブドッラー外相と会談し,二国間関係の潜在力を確認,ハイレベルの相互訪問と国際場裡の対話を継続することで一致した。また,両国経済の相互補完性を強調し,企業家ミッションの相互訪問の必要性につき一致した。
(2)クウェート訪問
(ア)ナワーフ皇太子と会談し,経済・二国間協力の面での二国間関係強化の可能性について意見交換した。
(イ)またサバーハ外相と会談し,40年の外交関係と既存の二国間協定を活用した更なる関係強化の必要性につき一致した。また,外交旅券保持者への査証免除に関する共同委員会の設立協定が署名された。
(3)ジャービル首相との会談では,ペニャ・ニエト大統領からの本年中の訪墨招待を伝達した。
(3)サウジアラビア訪問
(ア)サラーム皇太子,アブドゥラジーズ外務副大臣,イブラヒム財務大臣とそれぞれ会談した。ミード外相は,政治対話の強化,貿易・投資の促進,二国間協力の促進の意向を示した。
(イ)また,湾岸協力会議との覚書に署名した。
(4)カタール訪問
(ア)アブドッラー首相と会談し関係強化の意向を表明したほか,アティーヤ外相と会談し,教育,保健,科学技術分野で更なる協力の可能性があることを確認した。カタール側は在カタール・メキシコ大使館開設を歓迎し,在メキシコ・カタール大使館も近日開設予定である旨述べた。
(イ)企業家との会合でミード外相は,建設,観光,自動車産業分野で双方に投資のチャンスがあることを強調した。
(ウ)タミム首長と会談し,ミード外相は,メキシコはカタールの近代化,経済多角化を注視しており,経済関係拡大のため民間セクター間の交流活性化が必要である旨述べた。
2.ペニャ・ニエト大統領のエクアドル訪問
10日,ペニャ・ニエト大統領はエクアドルを公式訪問し,コレア大統領と会談した。
二国間協力,貿易振興,人の移動の促進,様々な分野における経験の共有等を進めていくことで合意。かかる観点から様々な覚書に署名した。
(1)メキシコ政府は,エクアドル政府の推進するヤチャイ(Yachay)学術都市プロジェクトへの協力を表明した。
(2)メキシコ政府は,連邦電力庁(CFE)によるエクアドルでの発電技術協力プロジェクトを拡大することを確認した。
(3)メキシコ経済文化基金による図書館をキトに創設するための覚書に署名。図書館はUNASUR事務局の建物を利用する。
(4)両国外務省は,人の移動に関する協議を行うため移民,治安当局を含めた会合を行うことを合意。また,犯罪者の出入国を阻止するための情報共有システムの創設に向け協議していく。
(5)ヤチャイプロジェクトに関しては,メキシコ国立自治大学,メキシコ市立大学,モンテレイ工科大学,メキシコ国立工科大学,国家科学技術審議会が参加するための覚書が署名された。
(6)メキシコ社会開発省とエクアドル社会開発調整省の間で,貧困対策,社会包摂,社会的弱者保護のための協力が合意された。
(7)エクアドル高等教育科学技術革新省とモンテレイ工科大学間の協力に関する覚書が署名された。
3.ペニャ・ニエト大統領のチリ大統領就任式出席
11日,ペニャ・ニエト大統領はチリ大統領就任式出席のため,同国を訪れた。就任式後,バチェレ大統領と会談し,二国間の様々なメカニズムを通じて協力していくことを確認した。10日にはピニェラ前大統領主催夕食会に出席し,就任中の成果に謝意と祝意を表明した。その他,コロンビア,ペルー,ブラジル,パラグアイ,ウルグアイ,アルゼンチンの各大統領と立ち話を行った。
4.ミード外相のハイチ訪問
14日,ミード外相はハイチを訪問。リチャード外相と会談,メキシコ・カリコムサミット,カリブ諸国連合(ACS)サミットに向けた協力を確認。ヴィルドゥラン観光相とも会談し,観光分野での協力につき意見交換を行った。
5.ミード外相のペルー訪問
21日,ミード外相はペルーを訪問,リバス外相,ウマラ大統領とそれぞれ会談した。
(1)リバス外相との会談
(ア)第9回ペルー・メキシコ政策協議会合が開催された。
(イ)会合後,両外相は,二国間関係における共通目標及び様々な合意事項を盛り込んだ共同宣言を発表した。
(2)ウマラ大統領との会談
21日夜行われたウマラ大統領との会談では,両国の発展と貿易関係促進に向けた政治的対話を通じた二国間関係と協力促進を強化する,ペルー・メキシコ戦略的連携協定について話し合いが行われた。
6.マルティネリ・パナマ大統領の訪墨
24日,マルティネリ・パナマ大統領が訪墨しペニャ・ニエト大統領と会談し,概要以下の通り共同声明を発表した。
(1)良好な二国間関係を確認,民主主義,人権,国際協力,平和等の基本的価値を共有。
(2)二国間FTA交渉妥結を歓迎。
(3)メキシコ企業で就労するメキシコ人へのパナマ永住査証発給を可能にするパナマ政府による処置を歓迎。
(4)外交関係110周年および関連行事を歓迎。メキシコがパナマ国際図書フェスティバル招待国となることに謝意を表明。
(5)第4回二国間委員会の成果を強調。
(6)メソアメリカ計画での協力を確認,カリブ諸国連合(ACS)サミットに再度パナマを招待。パナマは太平洋同盟メンバー国入りへの関心を表明,メキシコは右の支持を確認。
(7)第二回CELAC首脳会合の結果を歓迎。
(8)メキシコは,国境を越える犯罪組織対策のための中米治安戦略の実施を確認。
(9)メキシコは2015年にパナマで開催される第7回米州サミットの支援を確認。
(10)効果的開発のためのグローバルパートナーシップの重要性につき一致。
(11)インフラ,建設,農業分野での相互補完性を通じ,二国間経済を促進するための行動を継続すること確認。
(12)メキシコ海外貿易銀行からパナマ中銀への協力のための覚書締結に向けた提案を歓迎。
(13)ペニャ・ニエト大統領は4月1日~3日にパナマで開催される世界経済フォーラム・ラテンアメリカ地域会議への参加を確認。
(14)改定二国間航空協定の発効を歓迎。双方の航空担当機関の関係強化を指示。
(15)第4回二国間委員会における協力に関する分科会の開催を歓迎。
(16)5月にパナマで開催される予定の第7回科学技術分野に関する合同委員会を通じ同分野で協力を促進する重要性につき一致。
(17)同時期に開催の第9回教育文化に関する合同委員会において同分野における2015年~2017年のプログラムが署名されることを強調。
(18)単位・学位の相互認定協定締結を促進することを確認。
(19)既存の二国間観光協力協定を見直し,観光分野での協力を強化する重要性につき一致。
7.ミード外相のカリブ諸国,ベネズエラ,ホンジュラス訪問
25日~28日,ミード外相はバルバドス,トリニダード・トバゴ,ガイアナ,ベネズエラ,ホンジュラスを歴訪したところ,概要は以下の通り。
(1)バルバドス(25日)
(ア)マックリーン外相と会談し,ミード外相から,カリコムを通じた関係以上に,二国間関係を強化していくことを提案。また,OASを通じメキシコ国家科学技術審議会(CONACYT)がカリブ諸国に奨学金を提供していることを強調し,バルバドスに同制度の利用を呼びかけた。
(イ)両外相は,観光,再生エネルギー,教育分野での二国間関係強化,カリブ諸国連合サミット,メキシコ・カリコムサミットにむけた準備,中所得国の課題につき意見交換した。
(ウ)カリブ開発銀行ワーレン総裁と会談し,同銀行の活動につき意見交換した。
(2)トリニダード・トバゴ(26日)
(ア)ドゥークラン外相と会談し,二国間関係強化に必要なメカニズム創設,対話レベルの向上,教育,エネルギー,貧困対策,農業,自然災害対策の面で協力を強化することを合意した。
(イ)ドゥークラン外相は太平洋同盟の統合進捗に関心を示し,オブザーバー参加を申し込む予定である旨述べた。
(ウ)ムネラACS事務局長と会談し,次回サミットのアジェンダについて意見交換した。
(3)ガイアナ(26日)
(ア)ラモター大統領と会談し,ペニャ・ニエト大統領の二国間関係強化の意向を伝達したほか,ACSサミット,メキシコ・カリコムサミットに向けた準備につき意見交換した。今後,保健,農業,インフラの面で協力を強化していく予定。
(イ)ラロック・カリコム事務局長と会談し,メキシコ・カリコムサミットのアジェンダについて意見交換した。また,統計,疾病対策,農業,スペイン語教育,企業振興の分野での協力プログラムの現状につき検討した。
(4)ベネズエラ(27日)
(ア)ハウア外相と会談し,二国間・地域のアジェンダ,ベネズエラの内政状況,ベネズエラ在留のメキシコ人コミュニティについて意見交換した。
(イ)ベネズエラ内政については,ミード外相は,対話プロセスに関するベネズエラ政府の説明を聞いた上で,いかなる暴力も非難されるべきであり,国際法の原則に基づいた包括的な対話と人権の尊重が必要である旨述べた。
(ウ)ミード外相はUNASUR外相の取り組みの重要性を強調し,その成果を祈念した。
(5)ホンジュラス(28日)
(ア)アグエロ外相と会談し,4月2日のペニャ・ニエト大統領のホンジュラス訪問に向けた準備の進捗状況を確認した。同訪問は墨大統領としては10年ぶりのホンジュラス訪問となり,政治対話に基づいた戦略的関係の発展,貿易,投資,観光,文化面での関係強化に向けたメキシコの意思を示す機会となる。
(イ)ミード外相は,ペニャ・ニエト大統領からエルナンデス大統領への,ACSサミット,メキシコ・カリコムサミット参加招待を再度伝達した。
8.墨亜外相会談
28日,ティメルマン亜外相がメキシコを訪問し,ミード外相と会談し,概要以下の通り共同声明を発表した。
(1)二国間関係強化を確認。
(2)ペニャ・ニエト大統領の訪亜を招待。
(3)二国間戦略的パートナーシップ委員会の第三回会合,第三回二国間関係点検フォーラムを6,7月にブエノスアイレスで開催することを合意。右に先立ちメキシコで麻薬対策合同委員会会合,マルチ外交に関する二国間協議メカニズム第一回会合,移民問題に関する会合,ラ米・カリブ地域統合に関する対話を行うことを合意。
(4)第一回二国間議会間会合の近日中の開催を歓迎。
(5)アルゼンチンは,債務不履行に関しメキシコが米国最高裁判所に書類を提出したことに謝意を表明。
(6)マルビーナス諸島に関し意見交換。メキシコは,アルゼンチンの主権を支持するという従来の主張を確認,アルゼンチンは右に謝意表明。
(7)27日,28日に訪墨した亜企業家ミッションの成果を歓迎。
(8)両国農牧大臣間の会合で技術協力を強化することを合意。両国検疫機関間で植物害虫分野で協力することを合意。
(9)カサミケラ農牧漁業大臣はエレラ・ドゥランゴ州知事,ゲラ・シナロア州農牧漁業長官と会談。
(10)二国間協力プログラム2011-2013の成果を強調。
(11)二国間南南協力プログラム2014-2016の採択を歓迎。
(12)上記プログラムではアルゼンチンのPro Huertaプログラムのメキシコへの導入を盛り込んだ。
(13)非在来エネルギー分野での協力を確認。
(14)既存の協力枠組みを利用したエネルギー分野での技術革新,先進的研究のフォローアップを確認。
(15)アルゼンチン企業家ミッションとPEMEX関係者の会合を歓迎。
(16)アルゼンチンがグアダラハラ図書フェスティバルの招待国となったことを歓迎。
(17)「イベロアメリカ大衆芸術の偉人たち」展覧会のアルゼンチンでの開催を歓迎。
(18)CELACの枠組みでのラ米・カリブ地域統合の重要性を確認。
(19)アルゼンチンはメキシコで開催される次回イベロアメリカサミットへの支援を表明。
(20)グリンスパン・イベロアメリカサミット新事務局長の就任を歓迎。
(21)国連安保理改革に関し,UFCとして協力していくことを確認。
(22)1月に開催されたUFC副次官級会合へのアルゼンチン代表団の積極的参加に謝意を表明。
(23)ATTの採択を歓迎,早期発効を働きかける意向を確認。アルゼンチンは,メキシコによるATT締約国会議のホスト国への立候補を感謝。
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