山田 彰(やまだ あきら)
駐メキシコ日本国大使
2014年11月10日に着任しました。初めまして、そして、在メキシコ日本国大使館のホームページにようこそお越し下さいました。
近年、日本とメキシコの二国間関係はますます緊密化しています。両国は、2013年から2014年を、当時のメキシコであるヌエバ・エスパーニャとの直接貿易を目指した支倉使節団の出航・着港400周年を記念する「日本メキシコ交流年」と定めました。この間、首脳レベルから草の根まで、また、政治経済分野に限らず、芸術から食文化まで様々な交流が実施されました。
2013年4月のペニャ・ニエト大統領の訪日を受け、2014年7月には安倍総理がメキシコを訪問されました。私は外務省中南米局長として安倍総理のメキシコ訪問を準備し、総理に同行してメキシコを訪問しました。安倍総理とペニャ・ニエト大統領との間で中身の濃い会談が行われ、両者の間で個人的信頼関係が構築されました。
また、34に及ぶ企業・大学・政府関係機関のトップが同行し、経済、学術、科学技術分野を含む幅広い分野で、両首脳立ち会いの下、14の文書を署名・交換しました。これらの文書は、今後の二国間関係の発展の枠組みを提示したものであり、今後より具体的な成果に結実させていくために大使館として鋭意取り組んでいるところです。
現在の極めて良好な二国間関係は一朝一夕にできあがったものではなく、多くの日本人移住者、日系人の皆様の長年のご苦労があったことを忘れてはいけません。志を遂げ、あるいは志半ばにて当地で亡くなられた日本人・日系人先亡者の皆様に敬意と哀悼の意を捧げると共に、日墨関係の増進に現在もご尽力いただいている皆様に感謝申し上げます。私としても、大使館と日系人の方々の一層の協力関係の強化のために尽力して参りたいと思います。
文化面では、2014年10月に開催された中南米最大の芸術祭である「セルバンティーノ国際芸術祭」へ日本が特別招待国として招待され、開会式には、秋篠宮同妃両殿下に御臨席いただきました。日本から13グループ、約150名のアーティストが参加し、伝統芸能から現代音楽・演劇まで多くのお客様に楽しんでいただき、日本をより身近に感じていただく良い機会となりました。
さらに、同芸術祭に引き続き、グアナファト大学及びアグアスカリエンテス自治大学において第二回日墨学長会議が開催され、日本側から24大学・3政府関係機関、メキシコ側から44大学・8政府関係機関、また、メキシコ進出日系企業から11社が参加の上、今後の大学間協力や産学連携の強化について活発な議論を行いました。
このほか、11月時点で160以上の交流行事が、「日本メキシコ交流年」認定事業としてメキシコ国内で実施され、これらの事業を通じて、両国の文化、学術等様々な分野における交流が促進されています。
これらの文化・学術面での交流を、継続・発展させていくために、大使館としても引き続き尽力していきたいと思います。そして、伝統文化からポップカルチャー、スポーツ等幅広い分野の交流と相互理解を進めるよう努力したいと考えています。さらに、双方向の旅行者、観光客の増加のための施策にも取り組んで参ります。
経済分野の関係深化は、特に顕著であり、現在、自動車産業を中心に、メキシコへの進出日本企業数は飛躍的に増加しております。2013年10月時点の進出日本企業数は、679社にのぼり、前年同期比130社以上増加しました。その後も、確実に多くの日系企業がメキシコに進出しており、現在では推定800社に及ぶとされています。これは、ブラジルとほぼ同じ規模です。
これら日本企業による投資は、メキシコにおける雇用創出や技術向上に貢献しており、日本とメキシコが共に成長できることは喜ばしい限りです。
ペニャ・ニエト大統領が就任以来推し進めてきたエネルギー、通信をはじめとする幅広い分野における構造改革によって、メキシコ経済は投資先としての魅力を高めており、今後も様々な分野に日本企業の進出が拡大していくことが期待されています。
日本企業の進出により、在留邦人数も近年顕著に増加していると同時に、領事サービスに関するご要望、治安面での懸念等に関するお話を伺う機会が多くなってきています。
大使館として今後とも、日本企業の支援、在留邦人の保護には、特に力を入れて参ります。そのためにも、大使館が日本企業及び在留邦人の皆様にとって、敷居の低い、開かれた存在であるよう心がけていきたいと思いますので、ご質問、ご意見、ご要望等あれば、担当までお気軽にご連絡下さい。
日本国大使として、日本の魅力をメキシコの皆様に紹介すると共に、私自身がメキシコを良く知り、当地での勤務と生活を楽しみ、日本の皆様にメキシコの魅力を理解していただくことで、日本とメキシコがより一層、緊密なパートナーとなることが私の使命です。ご支援、ご協力の程、お願いいたします。
2014年11月
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