在メキシコ日本国大使館

政務班

２００７年６月のメキシコの内政・外交の概要

＜概要＞
内政では国民行動党（ＰＡＮ）の審議会評議員選挙が実施され、カルデロン大統領派がエスピノ党首派を押さえた。
外交では、カルデロン大統領がヨーロッパを歴訪し、ドイツで開催されたＧ８サミットのアウトリーチ会合にも出席、ポスト京都議定書となる気候変動に関する合意に賛同した。

＜クロノロジー＞
１日　　メキシコ市で、国家公務員年金法（ＩＳＳＳＴＥ法）改革に反対する組合や団体を中心に再び抗議デモが起こる。周辺都市へつながる道路を占拠。１５日、メキシコ市内で座り込みを続けている教職員組合の動向に関し、エブラール・メキシコ市長は、デモの座り込みの排除についての議論を行う用意はあるが、それは労働相とではなく、カルデロン大統領と行うと述べた。１８日、教職員組合が同年金法改革を巡り、カルデロン大統領との話し合いを求めてデモ行進を実施。（内政）
２日　　国民行動党（PAN）全国大会において、党国家審議会評議員の３００名が選出される。最大の投票数を獲得したのはセサル・ナバ（Cesar Nava）カルデロン大統領秘書官。（内政）
４日　　カルデロン大統領、バチカンを訪問し、ベネディクト１６世に謁見。法王は暴力の蔓延に遺憾の意を示すと共に、平和が勝り、犯罪につながる暴力がなくなるよう祈りを捧げ、暴力撲滅に対する関心を示した。４日、カルデロン大統領、ナポリターノ伊大統領、プローディ伊首相、マリーニ伊上院議長及びフォルミゴーニ・ロンバルディア州知事と会談、両国が組織犯罪への戦いに全面的な支援を提供することで一致。また、２００８年プローディ首相の訪墨及び２０１０年ナポリターノ大統領の訪墨を希望。その後のマステッラ伊法務大臣との会談では、マフィアとの戦いに特化した話し合いが行われた。５日、カルデロン大統領、モラッティ・ミラノ市長と会談し、メキシコはイタリア企業に対し、安定した経済と環境を提供すると述べた。また、墨伊二国間貿易の均衡を保つよう共に努力することで一致。５日、カルデロン大統領、フランスへ立ち寄り、サルコジ大統領と会談、サルコジ大統領はメキシコの犯罪との戦いに全面的な支援を表明。６日、カルデロン大統領、ベルギーを訪問し、アルベール二世国王に謁見、ヴェルホフスタット首相と会談。経済関係の緊密化や、両国の関心事項である国連改革、人権保障及び国際テロとの戦いについて意見交換を行う。またＥＵ本部でソラナＥＵ理事会事務総長兼ＣＦＳＰ上級代表と会談。ＥＵは、メキシコにおける組織犯罪対策への軍の導入を支持。７日、カルデロン大統領、ドイツのシュトゥットガルト及びヴォルフスブルクを訪問。ヴォルフスブルクでは、フォルクス・ワーゲン工場を訪問。また、Ｇ８サミットに参加するアウトリーチ５の首脳と会合し、国家開発に関する協議及び気候変動に対する概括的な枠組みを示す文書を作成。シン・インド首相、ルーラ・ブラジル大統領及び胡錦涛総書記と会談。８日、カルデロン大統領、Ｇ８サミットにアウトリーチ５の一国として参加、地球温暖化問題について協議。８日、カルデロン大統領、デンマークを訪問、マルグレーテ２世女王に謁見。またラスムセン首相と会談。特に気候変動問題について意見を交換。また、７日に米国上院で新移民法案が否決されたことに遺憾の意を表す。（外交）
６日　　バハ・カリフォルニア州の教職員が、ＩＳＳＳＴＥ法改革反対と、全国教職員組合のエステル・ゴルディージョ組合委員長の退陣を求めて、デモ行進及び国境施設の封鎖を行う。（内政・治安）
６日　　オアハカ州の第２２教職員組合及びオアハカ州人民会議（ＡＰＰＯ）のメンバーが再びオアハカ市内でデモ活動を開始。１５日、ルイス・オアハカ州知事は、昨年から続くオアハカ州内での闘争で市民に多大な迷惑をかけたことを謝罪。１６日、オアハカ人民会議は前日のルイス・オアハカ州知事の謝罪発言を拒絶。１８日、ルイス・オアハカ州知事に関し、昨年のオアハカ暴動の際の暴行容疑を巡り、連邦最高裁判所は、調査委員会の設置を決定。ルイス知事は同委員会を設置しないよう裁判所に嘆願書を提出したが、却下。（内政・治安）
７日　　連邦最高裁判所において、客年改正された「ラジオ・テレビに関する連邦法（ＬＦＲＴ）」及び「遠距離通信に関する連邦法（ＬＦＴ）」（合わせて通称「メディア法」）の違憲性を巡り審議が終了。その結果、２条項が全文違憲、７つの条項に関しては条文の一部或いは単語が削除された。最高裁がすべての条項に関する法的判断を示したことで事実上結審。（内政）
８日　　米国テキサス州で開催された墨・米議員会合で、メキシコ側は麻薬問題や組織犯罪対策にコロンビア計画と類似する計画への参加を求める。１２日、ガルシア公共治安大臣は、米国に要請した麻薬対策での協力に、コロンビア計画に類似した計画の適用を含めることを否定。１４日、メディナ連邦検察庁長官は、米国の銃法は不条理であると批判。また、米国のマネー・ロンダリング対策が不十分であると疑問を呈す。（内政・外交）
９日　　国民行動党、ヨーロッパ及び国際的プレゼンス向上のため、スペインのマドリードに事務所（EuroPAN）を開設。（内政・外交）
１０日　　米国麻薬取締局メキシコ事務所は、米国麻薬取締局によるメキシコの警察への合成麻薬対策指導の結果を受け、麻薬犯罪との戦いに対するメキシコ・米国両国の協力度合を「優秀」と評価。（内政・外交）
１３日　　連邦議会常設委員会、全国の情報の透明性を高める憲法第６条の改正を承認。（内政）
１３日　　国民行動党、民主革命党及び制度的革命党、選挙活動の経費を削減することで合意。（内政）
１４日　　エチェベリア元大統領の弁護団は連邦検察官に対し、１９６８年のトラテロルコ大虐殺に関するエチェベリア元大統領への訴えを退けるよう要請。（内政）
１８日　　アスナール元スペイン大統領がメキシコを訪問し、カルデロン大統領と会談。（外交）
１９日　　修正を加えた新移民法案が米国上院に提出される。審議及び投票の再開を狙ったもの。（外交）
１９日　　パリで１８～２０日の日程で開催されている文化多様性条約第１回一般会合において、メキシコが文化多様性のための政府間委員会委員（任期４年）に選出される。（外交）
２０日　　財政改革法案が連邦議会に提出される。（内政）
２０日　　８月に行われるバハ・カリフォルニア州知事選挙のハンク・ロン「よりよく生きるための同盟」（制度的革命党：ＰＲＩ）候補が「市長はその任期を終えるか、投票日の９０日前までに辞職しなければ州知事候補になることはできない」という州法に抵触することから、バハ・カリフォルニア州選挙裁判所は同候補の立候補を無効に。２２日、バハ・カリフォルニア州選挙裁判所は、「よりよく生きるための同盟」に対し、ハンク・ロン候補に代わる候補者を１０日以内に選出しなければならない旨通告。２６日、立候補が無効になった後も市民として選挙活動を続けていたＰＲＩのハンク・ロン元候補が、候補から外れることを受け入れる。２７日、バハ・カリフォルニア州選挙裁判所が、「よりよく生きるための同盟」選出のエンセナーダ市長候補（同市議会議員休職中）及びティファナ市長候補（同市議会議員休職中）、また労働党・統一党の同盟から選出された州知事候補（連邦下院議員休職中）が現職を辞職せずに立候補していることを理由に、立候補の取り消しを言い渡した。また、「よりよく生きるための同盟」選出のティファナ市長候補については、立候補に必要な、市長選の１０年前までのメキシコ国籍の証明を取得しておらず、立候補を取り消しに。２８日、「よりよく生きるための同盟」が連邦憲法裁判所に対し、ハンク・ロン元候補の立候補無効の取り消しを請求。
２５日　　今年１１月に実施されるミチョアカン州知事選挙の候補者を選出するＰＲＤの党内選挙で、レオネル・ゴドイ・ランヘル（Leonel Godoy Rangel）州上院議員（休職中）が当選を確実に。（内政）
２５日　　米国政府がメキシコ領内で鉄製の国境壁を建設していたことが判明し、メキシコ外務省は、即座に外交文書を発出し、在墨米国大使館に対し、国境壁建設への反対、及び同壁の即座撤去要求を表明。（外交）
２６日　　米国上院で否決された移民法改正案が６４対３５で審議再開されることに。これから２６カ所の修正対象について審議し、最終的な投票が行われる見通し。２８日、米国新移民法案は４６対５３で二度目の審議中断、法案の審議は無期限延期に。大統領選が終わり、新しく議会が招集される２００９年まで審議されない見込み。（外交）
２６日　　エブラール・メキシコ市長を除くＰＲＤの各州知事が大統領府を訪問し、２０日に提出された財政改革法案に対し、ＰＲＤは独自の改革法案を提出する予定である旨を伝えた。大統領もこれに理解を示す。（内政）
２６日　　リディア・カチョ氏（ジャーナリスト　当館注：２００５年末、プエブラ州の繊維業社長のカメル・ナシフ氏が、カチョ氏の著作本に名誉を毀損する部分があったとして、訴えを起こしていたところ、親交の深いマリン・プエブラ州知事がカンクンに警察を送りカチョ氏を拘束、身柄をプエブラ州まで移送、監禁した。これに対し礼の電話をしたナシフ氏とマリン・プエブラ州知事との会話を録音したテープが客年２月、マスコミで公表された。）に対する個人の権利の侵害で起訴されているマリン・プエブラ州知事への政治責任の追及について、連邦最高裁判所は、マリン州知事による重大な個人の権利の侵害があったとした上で、この種の調書を取り扱うに当たり、まず一般的な規則を定める必要があることから、この件に関する審議の無期限延期を決定。（内政）
２７日　　ニカラグアのオルテガ大統領夫妻、来墨。カルデロン大統領夫妻と夕食会に臨む。２８日、ニカラグアのオルテガ大統領、国立宮殿でカルデロン大統領と会談し、不公平に対し反対の姿勢を示してきたメキシコを賞賛すると共に、米が執る覇権主義的政治を「疲弊し失敗した」ネオリベラリズムのモデルであると批判した上で、メキシコにＮＡＦＴＡは何の役に立ったというのか、と述べた。これに対しカルデロン大統領は、オルテガ大統領の意見を尊重しつつ、プエブラ・パナマ計画及びトゥストラ対話・協調機構など地域のイニシアティブにニカラグアが参加し続けるよう求めた。（外交）
２８日　　カンクンにおいて開催された全米熱帯まぐろ類委員会（ＩＡＴＴＣ）年次会合において、メキシコ人のギジェルモ・コンペアン氏が事務局長（２００７－２０１１年任期）に選出。（外交）
２９日　　ベリーズで第９回トゥストラ対話・協調機構の首脳サミットが開催される。中米域内の自由貿易協定の推進及び組織犯罪や麻薬組織の活動と戦うための地域安全の共同戦略の推進をすることで一致。（外交）
２９日　　複数のラジオ局を抱えるモニトール・グループのホセ・グティエレス・ビボ社長が、自身がパーソナリティを務める番組で、フォックス前大統領政権時から政府による公共広告放送を阻止され、経営が破綻したため、３３年続いた番組を降板すると表明。３０日、モニトール・グループのビボ社長が経営破綻の原因が政府の広告放送拒否にあると言及したのに対し、カルデロン大統領はビボ社長の番組には考慮していたし、グループの負債に対処すべく社会保険庁や大蔵省にも働きかけたが、社員のストは政府も関与できないことだ、と反論。（内政）

＜内政＞
１．２日、国民行動党（ＰＡＮ全国大会（Asamblea Nacional）が開催され、明年3月に予定されている党首選出選挙における投票権を有する300名の国家審議会（Consejo Nacional）評議員が選出された。最大の投票数を獲得したのはセサル・ナバ（Cesar Nava）カルデロン大統領秘書官であった。また2番手にはホセ・アントニオ・グロリア（Jose Antonio Gloria）ハリスコ州知事秘書官（元連邦下院議員）、そして3番手にはサンティアゴ・クリール（Santiago Creel）現上院PAN会派長が入った。
２．メディア法審議終了
（１）「メディア法」は成立以前から当地２大テレビネットワークである「テレビサ」　社および「テレビシオン・アステカ」社の独占を助長するものだとして反対の動きがあった。本法律発効後、これを違憲とする元上院議員の一部が最高裁に対し、違憲性を巡る法解釈を求める訴えを起こした。
５月から２回の専門家協議及び８回行われた審議では、元上院議員から提出された４　６の条項について、それぞれ個別に違憲性が検討された。その結果、２条項が全文違憲、７つの条項に関しては条文の一部或いは単語が削除された。今回の最高裁の判決は、訴状を踏まえ、法全体が合憲か違憲かではなく、本法律のどの部分に違憲性があるかを審議するものであった。最高裁がすべての条項に関する法的判断を示したことで事実上結審し、今回の結果を踏まえて今後本法律をどのように改正するのか、議会及び大統領の手に委ねられたことになる。
（２）一方、連邦通信委員会（Ｃｏｆｅｔｅｌ）に関しては、委員会としての存続や放　送認可を受けた者に義務を課すこと、著作権料を受領する権利、国際問題に介入する権利、通信運輸省からＣｏｆｅｔｅｌへラジオ及びテレビに関する分野の権利を委譲すること、また政党及び選挙立候補者と結ばれた宣伝活動に関し、連邦選挙機関（ＩＦＥ）への報告を義務づけることにおいて、すべて合憲であるとの判断を示したが、委員選出に関する条件を示したＬＦＴ第９－Ｃ条の一部が違憲とされたため、今後カルデロン大統領が委員として残留するのか、退くのかを判断を求められる。

＜外交＞
１．２～１０日にかけてカルデロン大統領が欧州６カ国（バチカン、イタリア、フランス、ドイツ、ベルギー及びデンマーク）を歴訪。
（１）バチカンでは、ベネディクト１６世に謁見。法王は暴力の蔓延に遺憾の意を示すと共に、平和が勝り、犯罪につながる暴力がなくなるよう祈りを捧げると共に、積極的な姿勢を見せた。また、２００９年にメキシコ訪問する可能性を示唆した。外遊前に大統領が述べていた通り、中絶合法化の話題は取り上げられなかった。
（２）イタリア
（イ）ナポリターノ大統領、プローディ首相、マリーニ上院議長、フォルミゴーニ・ロンバルディア州知事と会談、両国が組織犯罪への戦いに全面的な支援を提供することで一致した。また、２００８年プローディ首相の訪墨及び２０１０年ナポリターノ大統領の訪墨の可能性を示唆した。
（ロ）マステッラ法務大臣との会談では、マフィアとの戦いに特化した話し合いが行われ、両国間での対話を継続すると共に治安面での協力、国際組織犯罪対策等の点で合意。
（ハ）モラッティ・ミラノ市長との会談では、カルデロン大統領が、メキシコはイタリア企業に対し、安定した経済と環境を提供すると述べた。また、墨伊二国間の貿易の均衡を保つよう共に努力することで一致。中小企業協力の覚書に署名。
（３）フランスでは、サルコジ大統領と会談。サルコジ大統領は、メキシコの犯罪との戦いに全面的な支援を表明。
（４）ベルギーでは、アルベール二世国王に謁見、ヴェルホフスタット首相と会談。経済関係の緊密化や、両国の関心事項である国連改革、人権保障及び国際テロとの戦いについて意見交換を行う。また、ＥＵ本部でソラナＥＵ理事会事務総長兼ＣＦＳＰ上級代表と会談。ＥＵは、メキシコにおける組織犯罪対策への軍の導入を支持。
（５）ドイツではシュトゥットガルト及びヴォルフスブルクを訪問。ヴォルフスブルクでは、フォルクス・ワーゲン工場を訪問。その後、Ｇ８ハイリゲンダム・サミットにアウトリーチ５として参加。ＥＵ・加・日が提起したポスト京都議定書の枠組みを評価すると共に、地球温暖化問題の合意を歓迎。またアウトリーチ５会合、シン印首相、ルーラ・ブラジル大統領及び胡錦涛総書記と会談。
（６）デンマークでは、マルグレーテ２世女王に謁見。またラスムセン首相と会談。デンマークと墨の国交１８０周年を祝すと共に、気候変動問題について意見を交換。

２．メキシコの政府間委員会委員選出
（１）１９日、メキシコはパリで１８～２０日の日程で開催されている文化多様性条約第１回一般会合において、文化多様性のための政府間委員会委員（任期４年）に選出された。
（２）文化多様性条約は、世界遺産保存に関する１９７２年の条約、及び無形文化財産保護に関する２００３年の条約と共に、創造的多様性を促進・保護する柱の一つである。
（３）政府間委員会の目的は、２００５年１０月２０日に署名のために開かれ、２００７年３月１８日に発効した文化多様性条約の内容を実行するために必要な作業の実施である。
（４）このようにしてメキシコは、文化多様性条約交渉の締結のためだけでなく、第３３回ユネスコ総会の第４文化委員会の議長を務め、またこの条約の３番目の締結国となるなど、国際レベルで示してきた真剣な取組みを引き続き行っていくこととなる。

３．米国による墨領土内国境壁建設に関する抗議
２５日、米国政府がメキシコ領内（チワワ州）で約５キロに亘り、鉄製の国境監視壁を建設していたことが判明した。場所によって、この壁は国境から１．８キロもメキシコ領内に入ったところに建設されていたことに対し、メキシコ外務省は、即座に外交文書を通じ、在墨米国大使館に対し、国境壁建設への反対、及び同壁の即座撤去要求を表明した。これに対し米国政府は、墨領内の国境壁を即座に撤去する意思を示した。

４．米国移民法案審議中断に関するカルデロン大統領発言
２８日、米国上院において新移民法案が否決され、同法案の審議が中断したことに対し、以下の通り発言。
（１）カルデロン大統領は、米国上院が新移民法案の審議につき二度目の中断を行ったことは、そこにある問題を認めず、良識のある合理的かつ合法的な解決策を打ち出そうとしないことであり、大きな誤りであると述べた。メキシコを訪問中のオルテガ・ニカラグア大統領との共同記者会見の場において、カルデロン大統領はまた、移民問題は議論をすれば解決する類のものではなく、具体的な施策が必要である旨述べた。
（２）米国上院の行動が誤りである理由について、カルデロン大統領は、①米国が移民問題に直面しないことで、事態を悪化させる、②合法移民流入の道を閉ざすことで不法移民が増え、両国国境の安全がより脅かされる、③何百万人もの人々の経済的発展の機会を奪うことで貧困を生むだけでなく、米国の経済もメキシコや中米からの移民の労働力なくして発展はなく、米国自身の発展も妨げられる、と指摘した。

５．全米熱帯まぐろ類委員会年次会合
２８日、カンクンにおいて開催された全米熱帯まぐろ類委員会（ＩＡＴＴＣ）年次会合において、メキシコ人のギジェルモ・コンペアン氏が事務局長（２００７－２０１１年任期）に選出された旨の外務省プレスリリースが発出されたところ、概要以下の通り。
（１）１８－２９日の日程で、カンクンで開催されているＩＡＴＴＣ第７５回年次総会において、メキシコ人のギジェルモ・コンペアン氏が事務局長（任期４年）に選出された。
（２）コンペアン氏は３０年以上に亘り、マグロ資源の生物学的調査及びまぐろ漁獲に関するルール作りに携わった経験がある。コンペアン氏はヌエボレオン大学で生物科学を修め、また仏マルセイユ大学大学院で海洋生物学（漁業生物学専攻）を修めた。さらに、ヌエボレオン大学生物科学学部の大学院担当部長として、多くの人材を漁業科学の分野に送り出してきた。
（３）コンペアン氏は、メキシコまぐろ・イルカ調査プログラムの創設者兼代表であり、ＩＡＴＴＣ及び国際大西洋まぐろ保存委員会を中心として、この分野に関する数多くの国際会議に参加し、２５年間メキシコ政府を代表してきた。
（４）メキシコのＩＡＴＴＣ事務局長選出は、メキシコ外務省が策定し、カルデロン大統領が合意した、立候補に関するメキシコ政府の戦略の中に位置づけられるものである。

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