政務班

2008年11月のメキシコの内政・外交の概要

 

内政では、モウリーニョ内相が航空機事故により死去、これに伴い、ゴメス=モント元連邦下院議員が新内相に任命された。また、ナバ大統領秘書官が辞任、ブラーボ前バチカン大使が任命された。また、民主革命党(PRD)の党首選挙実施後8ヶ月を経て、ようやくオルテガ候補が党首に選出された。治安関係高官が麻薬組織との癒着により相次ぎ逮捕された。

外交では、ヌエボ・レオン州モンテレイ市で実施されたビジネス・サミット、およびペルーで開催されたAPECの枠組で、要人の往来が相次いだ。

 

<クロノロジー>

1.モウリーニョ内相の事故死

4日  モウリーニョ内相およびサンティアゴ・バスコンセロス元公共治安省(SSP)次官が搭乗した内務省所有の中型航空機がメキシコ市ミゲル・イダルゴ区ローマス地区に墜落、炎上。乗員合わせ8名全員が死亡。

5日、6日  テージェス通信運輸相がモウリーニョ内相の死亡事故に関する記者会見を開く。現時点の段階では、事故によるものではないとする仮説を推定させる形跡や兆候はないため、テロ等事故以外の見方を否定。

5日  モウリーニョ内相の死去を受け、後任が任命されるまでの間、内務省の規定により、ゴンザレス(Abraham Kunio Gonzalez Uyeda)筆頭内務次官が内相の執務代行者となる。

6日  カンポ・マルテ(軍施設)において、モウリーニョ内相および墜落した航空機に搭乗していた政府関係者および乗員の国葬が執り行われる。その後、モウリーニョ内相の出身地であるカンペチェ州カンペチェ市の聖堂でミサが実施される。

10日  カルデロン大統領、4日に航空機事故で死去したモウリーニョ内相の後任としてゴメス=モント(Fernando Francisco Gomez-Mont Urueta)元連邦下院議員を新内相に任命。

14日、21日  テージェス通信運輸相が記者会見を実施、事故機(リアジェット45)が前方を飛行していた大型航空機に対して規則に定められている機間距離を超えて接近したことにより乱気流に巻き込まれ墜落したとの見解を示す。また、事故機のパイロットに対する操縦資格の付与に関して違反であった可能性があると指摘。

 

2.PRD党首の選出

12日  連邦選挙裁判所、3月に実施されたPRD党首および事務局長選挙を無効としたPRD保証監視委員会の判断を無効とし、選挙集計を修正の上、48.83%得票でオルテガ候補の次期党首認定書を48時間以内に発行するよう判決を下した。3月16日に党首選挙が実施されたから8ヶ月、7月19日に党首選挙が無効となってから約4ヶ月でようやく決着を迎えた。

14日  PRD、オルテガ候補に次期党首認定書を発行。「私がPRD党首である」として、このポストを退くつもりはないことを示した。また、エンシーナス元候補およびそのグループに対し、団結を呼びかけた。

19日  アラゴン氏が事務局長に選出される。

 

3.治安関係者の逮捕

16日 グティエレス国際刑事警察機構(ICPO)支部長がメキシコ市国際空港における麻薬取引関係者のオペレーションに便宜を図るとともに、ベルトラン・レイバ兄弟の麻薬グループ及びレイ・サンバーダに対して捜査情報を提供していた疑いで逮捕。 

19日  ガルシア公共治安相がフォックス政権下の連邦調査機関(AFI)長官時代に秘書官を務めていたベラルデ(Mario Arturo Velarde Martinez)SSP連邦警察対麻薬部職員(adscrito a la Division Antidrogas de la Policia Federal de la SSP)が、ベルトラン・レイバ兄弟のカルテルとの契約関係にあり、麻薬組織と共謀する政府役人グループの一因であった容疑で捜査。

20日  ノエ・ラミレス前連邦検察庁(PGR)副長官、麻薬組織シナロア・カルテルの捜査に関する情報を与える見返りとして月に45万ドルを受領した容疑で逮捕。

 

4.その他

3日  ルゴ・パラグアイ大統領が訪墨。カルデロン大統領とともに共同声明を発表。

6日  カルデロン大統領が就任前のオバマ米国次期大統領と電話会談。

7日  連邦警察、タマウリパス州において麻薬組織「ロス・セタス」の創設者の一人であり、リーダーであるハイメ・ゴンサレス・ドゥラン、通称「ハマー」(Jaime Gonzalez Duran, “Hummer”)容疑者を逮捕。

9日(〜10日)  ウリベ・コロンビア大統領が訪墨、治安問題等に関しカルデロン大統領と会談。9日、モンテレイ・ビジネスサミットの開会式に出席。10日、IDC首脳会合に出席し、メキシコ政府が組織犯罪の撲滅に成功を収めたことに「拍手を送る」と称賛し、その方法を学ぶことでコロンビアもテロ問題をなくすことができるだろうと述べる。

9日  イダルゴ州で市長選挙が実施され、制度的革命党(PRI)が単独、新同盟党との連合を合わせ、52の市長を獲得。PRDは24市長から15市長に数を減らしたものの、州内第2勢力となった。

11日  ラガルド仏経済産業雇用大臣がサルコジ仏大統領の特使として訪墨、カルデロン大統領、経済相及び大蔵公債相と意見交換を行う。

13日(〜14日)  アレム・エチオピア外務担当国務大臣が訪墨。30年ぶりのエチオピア政府高官によるメキシコ訪問。

13日  パルヴァノフ・ブルガリア大統領が訪墨、大統領レベルのみならず、閣僚、議会及び友好団体を含むあらゆるレベルでの二国間関係を、メキシコ政府と共に強化していくと約束。

13日  サカテカス州サカテカス市にて、第27回リオ・グループ外相会合が開催される。リオ・グループの強化・拡大のプロセスの一環として、今次会合においてキューバがリオ・グループの正規加盟国として承認され、その結果加盟国は計23カ国となった。

17日  ユドヨノ・インドネシア大統領が訪墨、カルデロン大統領と首脳会談を行う。

18日  スミス豪外相が訪墨、エスピノサ外相と会談。

21(〜25日)  カルデロン大統領が第16回APEC首脳会合に出席するためにペルーを訪問するとともに、チリ及びアルゼンチンをそれぞれ公式訪問。23日、第16回APEC首脳会合に出席のためにペルーを訪問中のカルデロン大統領、麻生総理大臣と会談。また、ベトナム、豪州、ペルーおよびフィリピン(立ち話)首脳と会談を行う。

26日  カルデロン大統領、ナバ大統領秘書官の辞任を発表するとともに、後任に、今次人事のため前日バチカンより帰国したブラーボ前駐バチカン墨大使(元国民行動党(PAN)党首)を任命。

28日(〜29日)  フラッティーニ伊外相が訪墨、エスピノサ外相と会談。両外相は、明年のイタリアのG8議長への就任に際し、G8とG5間の対話を拡大深化させることに対して両国が特別な関心を有していることを示す。

28日  第25回全国公安評議会が開催される。8月の評議会で署名された合意の100日後の進捗状況を確認するもの。

30日  カルデロン大統領は国立宮殿で政権3分の1に当たる2年間の政権を振り返る演説を行う。

 

 
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