マデロ大統領家族に対する日本公使館の庇護に関するメキシコ連邦上院決議記念プレート除幕式及びメキシコ空手連盟による空手道実演
4月21日、メキシコ連邦上院議会において、マデロ大統領一族に対する日本公使館の庇護に関し日本国民への感謝を記した記念プレートの除幕式が開催されました。この記念プレートは、パトリシオ・マルティネス・ガルシア上院議員の発意により、2月26日に上院本会議において採択された決議に基づくものであり、同決議は、1913年のマデロ大統領家族に対する日本国公使館の庇護に関して、日本国民、日本政府、外交官堀口九萬一の親族に感謝し、この史実をメキシコ国民と日本国民の関係の歴史の最も美しい1ページとして語り継ぐとしたものです。同プレートは、「1913年2月の苦難の日々における、その模範的な生き方とマデロ大統領家族に対する保護に関して、堀口九萬一と偉大な日本国民に捧げる」と刻まれており、上院議場中庭の栄誉の壁に飾られる予定です。
同式典には、ミゲル・バルボサ・ウエルタ連邦上院議会議長、テオフィロ・トーレス・コルソ連邦上院議会アジア太平洋外交委員会委員長、パトリシオ・マルティネス・ガルシア上院議員、和久井伸孝日墨協会会長と共に、山田大使が出席しました。バルボサ上院議長は、堀口九萬一臨時公使がその倫理、道徳心に誠実に従い、マデロ大統領一族を庇護したこの史実は劇的であり、悲痛さ、苦しみを伴うものであるが、他方、日墨両国間にとっては偉大な勝利であると述べました。また、トーレス委員長は、堀口九萬一臨時公使の英雄的行動は、外交という観点だけで行われたものではなく、人道主義の立場から行われたものであり、日墨両国が400年以上にわたり築いてきた互いに尊敬しあう友好関係から生まれたものである等と述べました。
また除幕式に先立ち、福田純子メキシコ・ナショナル・コーチ(全日本空手道連盟公認六段、糸東流)が、迫真の形の演武を披露したほか、メキシコ空手連盟所属選手たちによる約束組手等が披露されました。
注:1913年2月9日、メキシコ革命の最中、悲劇の10日間と呼ばれるウエルタ将軍によるマデロ大統領に対するクーデターの際、マデロ大統領夫人、同父母の親族20名以上が日本国公使館に駆けつけ、一族の親しい友人であり、また臨時代理公使であった、堀口九萬一に庇護を求めた。堀口臨時代理公使は、ウエルタ将軍一派が日本公使館を攻撃すると見られていたにもかかわらず、一族の保護を続けた。クーデター後、マデロ大統領及び政権関係者は殺害されたが、一族は無事に公使館を出ることが出来た。この堀口臨時代理公使の人道的対応は、メキシコ国内において幅広く評価され、政権に就いたウエルタ大統領自身からも称賛されたと言われるなど、両国の友情を示す多くの逸話の1つとして知られている。
http://www.mx.emb-japan.go.jp/reconocimiento2015jp.html
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