メキシコでは、悪性腫瘍が女性の死亡原因の中で第2位を占め(2001年INEGI)、婦人科がん、特に子宮頸がんによる死亡は25歳以上の女性のがんによる死亡件数の中で最も多く、なかでも、貧困層に属する住民の多いメキシコ南部州において高い死亡率を記録しています。
子宮頸がん死亡率を下げるための最も効果的な方法は、早期発見そして早期治療ですが、貧困者比率が高い南部州では、女性の保健衛生及び子宮頸がんに関する知識が不足しており、子宮頸がんの早期発見に必要な医療システム・技術不足が原因となって、女性住民の多くが子宮頸がんの早期発見・早期治療の機会を逸しているのが現状です。
このような中、当国政府は国家開発計画2001-2006において、子宮頸がん予防への取り組みを行動指針の一つに位置づけ、国家として子宮頸がん対策に取り組んでおり、JICAメキシコ事務所は、1999年から5年間ベラクルス州で実施した子宮頸癌対策プロジェクトの成果を死亡率の高い他州に波及させるため、2004年11月より3年間の予定で、南部州を中心とした他6州に対し「南部州子宮頸癌プロジェクト」を開始しました。 |